2つの民間ラボを参観して
2004.7.22

日本歯科技工所協会      
国際交流担当理事 斎藤隆司
 
 今回、大学付属ラボ3ヶ所・市立口腔医院ラボ4ヶ所・民間の院内ラボ2ヶ所・個人ラボ2ヶ所の計11ヶ所を参観してきた。その中で院内ラボ(個人ラボ)従業員40〜50名の2つのラボの経営理念が印象に残ったので紹介したい
 

1階が診療所で2階が40~50名の院内ラボ


北京市内の個人診療所
玄関ホールにて(牛院長 矢印)
使いこなしている実態顕微鏡
チタンのコーヌス冠で適合はほぼ良好
  
青島市の個人歯科医院が経営するラボ

 診療所は青島市内にあったがラボは車で30分位離れた郊外にあった。
建物は以前縫製工場とのことで6階建ての古いビルの4階にあった。建物の外壁は一見古びていたが中に入ると内装は綺麗であった。院長の経営理念に心を打たれた。従業員を非常に大事にしているところがラボの随所に現われていた。
 
 
中国国産・自前設備ラボ 広い敷地のラボの前にて曹院長(矢印)
廊下には社員の作品や親睦会の写真が貼ってあった 作業システムが考慮された技工台の配置
社員の技術教育もしっかりしているようであった
設備器具は中国製または自家製が多かった ドラム缶を利用した横振り遠心鋳造機
  
講演を3ヶ所で行いました
ラボ見学をした後、サンプルを見て頂いてから2時間ほど講演をしました
青島大学付属医学院口腔科
 
山東大学付属口腔医学院
 
南陽市口腔医院
 おわりに
今回、12日間でラボ関係を中心に11施設を見学してきたが、中国の現状がますます解からなくなってしまった。しかし、着実に発展をしていることだけは確かである。
民間ラボ(個人ラボと称する)の進んでいるところを2箇所訪問したが技術的レベル的は日本のラボの中堅クラスより上で日本でも十分通用する技術を持っていると思った。(それが40〜50人のラボ・・・で)。そして、レベルの高いラボ経営者は日本市場には全く関心がないように感じた。地方の大学や公的病院は技術も設備も比較的遅れていてこれからはじまる兆し・・・・である。
民間の方は経済活動を中心に発展が早いと感じた。・・・合弁ラボを作りたいとの話は大学や民間を問わず開口一番何処でも必ず出た。民間ラボはピンからキリまで日本ならば100%再製の製品を作っているところもあったが仕事は何処よりも山積みされていたのが不思議であった。模型を見れば歯科医師のレベルは理解できるが、次回はそれらの歯科医院を訪問したい。
中国の技工消耗製品もだんだんと品質が向上しつつ・・・・いま一歩と言うところが現状であろう。
 
 
25年前の日本語通訳と再会
(青島市にて 李さんと張さん)
18年振りの研修生第1期生(許家森歯科医師)
(左は筆者)
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