良い人材を獲得しよう
◆本当に欲しい人材を募集要項に掲げていますか?
 企業やお店が正社員やパート・アルバイトを募集するとき、広告や店内掲示
等に募集要項を掲げます。それを見て、希望者は応募します。この当たり前の
流れの中に、当たり前のことを行っていない企業やお店が意外に多いようです。
それは、「本当に欲しい人材」を募集要項に掲げていないということです。そ
んなわけない、とお思いの方が多いかもしれませんが、多くの募集要項では、
給与・休暇・交通費・労働時間など労働条件の列記がメインになっており、肝
心の「こんな人に来て欲しい」というのが十分に伝えられていないのです。確
かに、たくさんの応募者を集めるために、労働条件の良さを打ち出しすのはわ
かりますが、少し考え方を変えてみませんか。

◆事例に学ぶ〜魔法の言葉
 ある喫茶店の事例です。それまでは、採用してもすぐ辞めてしまい、せっか
く教育したことも無駄になってしまい、人材育成もままならない状態でした。
もちろん、その度に広告代もかかってしまい、人手的にも費用的にも悩む毎日
でした。
 そこで、今までの募集案内の最初に一言添えたところ、募集に来る層もがら
っと変わり、また定着率も飛躍的に高まりました。その冒頭に付けた言葉とは、
「コーヒーが好きな方へ。私たちと一緒に働いてみませんか?」
たったこれだけです。この一言が魔法の言葉なのです。
 この一言を応募者側が受ける心理を分析すると、給料や待遇を第一に優先す
る人材はこの企業やお店を選ばなくなります。そして、本当にコーヒーが好き
な方は、どうせ働くならここで働いてみたいと思うようになるのです。

◆経営者の方へ〜本当に来て欲しい人材を声高らかに宣言しよう
 今回のような事例は数多くあります。今や労働者は「給料ではなく、自分の
価値観に合った企業を選ぶ」時代になっているのです。それなら、ファースト
コンタクトの時に、企業側から「うちはこういう人材を求めている」という姿
勢を伝えることが必要なのではないでしょうか。企業側も社員側も双方納得し
た上で企業の一員になってもらうための取り組みを是非行ってほしいと思いま
す。もちろん、このような取り組みは募集人員は一時は減るかとは思います。
しかし、人材の定着率も含めて考えると、メリットは大きいと思います。一度、
今の採用方法を見つめ直してより良い企業体制を築いてほしいと思います。

(船井総研)